冬場の血圧変動について
10月も中旬を過ぎました。まだまだ暖かい日もありますが、朝晩はめっきりと冷え込むようになりました。徐々に秋が深まるのを感じています。
さて、私は循環器内科(心臓や血管の内科)の専門医であるため、冬場は患者さんの血圧の変動が気になります。
やはり、秋冬になると患者さんの血圧が上がることがとても多いのです。血圧の上昇は、心筋梗塞や脳血管障害などのリスクを高めますので、診察でも注意が必要です。
家での血圧変動は、高血圧の診療にとって重要なデータです。高血圧の方は、毎日血圧を測定し、血圧手帳などに記録し、受診の際に必ずご持参ください。患者さんの血圧の状況に応じて、薬の増量をしたり、医学的な助言をお伝えいたします。
また、寒さが厳しくなるにつれ、ヒートショックのリスクも高まります。冬場は部屋ごとの温度差が大きく、移動により急激な血圧の変化が起こりやすいです。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な疾患に繋がるリスクが高まります。
ヒートショックが起こりやすい時期は11月から2月ごろ、リスクが高いとされる場所は「お風呂」「トイレ」などです。脱衣所や風呂場を温めたり、お風呂の温度を低めにしたり、なるべく温度変化がないように工夫してみましょう。
・暖房器具で部屋を温める
・浴室や脱衣所にマットを敷く
・風呂場に入る前にお湯シャワーで浴室を温める
・38-40度程度のお湯にして、ゆっくりと浸かり、ゆっくりと出る
・食事直後、飲酒後の入浴は避ける
これらの工夫でヒートショックのリスクを下げることができます。
若い方、高血圧と診断されていない方も、ヒートショックのリスクはあります。年齢に関わらず、冬場は部屋の温度変化や日々の生活にぜひ気をつけてみてください。
何かご心配なことがありましたら、いつでも当院にご相談ください。
北條医院院長 北條義明
