HPVワクチンが積極的な勧奨に
今回はHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンについてです。
一般的に子宮頸がんワクチンと呼ばれていますが、子宮頸がんのみを予防するわけではないため、正式にはHPVワクチンといいます。
HPVワクチンは平成25年6月から積極的な勧奨を一時的に控えていましたが、令和4年4月から再び積極的な勧奨に戻すこととなりました。
HPVには多くの女性が感染しますが、特に発症しない方がほとんどといわれています。しかし感染した人の中で子宮頸がんを発症してしまう方がおり、日本では年間3000人近い方が、子宮頸がんが原因で亡くなっています。
海外の研究でHPVワクチンを接種することで実際に子宮頸がんの割合が減ったという研究結果が報告されています。
また、接種後に機能性身体症状と呼ばれる多彩な症状が出る状態が指摘されていましたが、その後の研究によってワクチン接種の有無にかかわらず、機能性身体症状の割合は変わらないことが報告されています。
以上のような科学的な知見を総合的に鑑みて、4月からHPVワクチンの積極的な勧奨に戻すこととなりました。
現在公費で接種が可能なワクチンは2種類(サーバリックス、ガーダシル)ありますが、当院では4価のガーダシルを使用しています。9価のワクチン(シルガード9)もありますが、現在公費での接種を検討中という段階であり、シルガードを接種希望の方は自費での接種となります。
3回接種が必要で、通常6か月(最短で4か月)かかりますので、接種する場合は余裕をもって予定しましょう。
小学校6年生から高校1年生相当の女子が対象者となります。また、積極的な勧奨を控えていた時期に接種できなかった方も、公費で接種が可能となりました。キャッチアップ接種と呼んでおり、その対象者は平成9年から平成17年生まれの女性です。令和7年3月までの3年間はキャッチアップ接種が可能ですので、積極的に接種を受けましょう。
詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。